その国の民は圧政に苦しんでいた
数年前に先帝を殺し王位に就いたのは元宰相
彼は武力による独断政治を行った

民は苦しみ、国土は荒れた
民は何度も反乱を起こそうとした
しかし、皇帝は不思議な力を持っていた
反乱を起こしても全て失敗に終わる
起こそうとする度に天災が人々を襲った


嵐、飢饉、流行り病……
皇帝に自然までも味方しているようだった


そして遂に民は諦めてしまう
従うしか生きる術は残されていなかった。
人々は辛いながらも精一杯生きる
いつか誰かがこの苦境から救ってくれることを祈りながら


その国の名はアンティフォナ
緑の美しい、水の国――






王都から離れた都市の外れ
深い森の近くに住む青年、エール
彼が偶然助けた少女「エア」

彼女は素性を一切話さず、自分には感情がないと話す
彼女はただ、『詠う』ことしか知らないと告げる
そして彼を「レチタティーヴォ」と呼んだ

感情を表すことのないエアとエールの不思議な生活
彼女は何者なのか
そして迎える終焉の意味は――